ISUは現在の競技の発展を反映すべく, 要素の価値尺度とガイドラインを更新した.
最も明らかな変更は, 4回転ルッツ, フリップ, ループの平衡化である: 3種類すべての基礎値が11.00点になった. 以前は, 4回転ループは10.50点, 4回転ルッツは11.50点だった. フリップはすでに11.00点であった. また, 3回転ルッツと3回転フリップの基礎値は同じ5.30点 (3回転ルッツは以前は5.90点だった) になった.
“シーズン中に行った調査の後, 3回転フリップと3回転ルッツの難易度は完全に同じだと考えられた” とISU技術委員会の委員長 Fabio Bianchetti 氏は説明した. “2つのジャンプの技術は準備と共に同じであり, 従って2つのジャンプのどちらが難しいのかは極めて主観的なもので, 選手の身体に依存する” と彼は続けた. Bianchetti 氏は, 1回転又は2回転のルッツは技術が異なるため, 依然として1回転又は2回転のフリップよりも少し難しいと考えられると付け加えた. それらの価値は変更されない. しかしこの違いは選手が3回転又は4回転のジャンプに進むとなくなる.
“統計を見ると4回転ループが最も難しい4回転である可能性が非常に高いが, これも主に選手の身体に依存するため, これら全ての4回転ジャンプに同じ値を与えることを決定した” とBianchetti 氏は述べた.
ISU技術委員会は, 回転が足りないジャンプの追加の記号 ”q” を導入した. 回転が足りない程度に応じて, テクニカルパネルはジャンプを”クォーター” (q), “回転不足” (<)又は”ダウングレード” (<<) とコールする. ”基礎値の減点と実施の出来栄え (GOE) の引き下げがあったため, ジャンプが回転不足とコールされた場合, 選手のペナルティは非常に大きかった” とBianchetti 氏は指摘した. 境界線 (ちょうど¼回転足りない) の場合, ジャンプが ”クォーター” とコールされる可能性があり, 基礎値は同じままでGOEのみが引き下げられるため, ペナルティは小さくなる. ”実際には, 完全に回転したジャンプと回転不足のジャンプの間で, 選手にとってより公平となるものになる” とISU技術委員会の委員長は語った.
ペアスケートでは, 技術委員会はそれぞれ異なる難易度を反映し, 各デススパイラルに異なる基礎値を与えることにした. フォワードインサイドのデススパイラルが最も簡単であると考えられ, バックワードインサイドのデススパイラル, バックワードアウトサイドのデススパイラル, フォワードアウトサイドのデススパイラルが続く. 例えば, レベル4のフォワードインサイドデススパイラルの基礎値は3.80点のままだが, レベル4のフォワードアウトサイドデススパイラルは4.90点の価値がある. 以前はデススパイラルは同じ基礎値を持つ2つのグループ, 2つの”インサイド”のデススパイラルと2つの”アウトサイド”のデススパイラル, に分けられていた.
リフトについては, ISU技術委員会はグループ1リフト (初心者が実施する) の様々なレベルの得点のみを変更した.
“価値尺度の変更は実施される要素の実際の難易度により一致しており, 全ての選手にとってより公平になると考えている” と Bianchetti 氏はコメントした.
難度レベルと, GOE及びプログラム構成点を採点するためのガイドラインにもいくつかの変更があった.
例えば, スピンの場合、難しい入りだけでなく難しい出もレベルを上げる特徴になる. 難しい入り又は難しい出を考慮する必要があるが, 両方を同じスピンで行うことはできない. ペアコンビネーションスピンでは, 男子はスピン中にパートナーを氷からリフトして良い. しかしこれは難度レベルの特徴としては数えられない.
技術委員会は, エラーに対するGOEの引き下げをいくつか指定した. 例えば, “クォーターでの着氷”とコールされたジャンプはGOE -2のペナルティが科され, 回転不足のジャンプのGOEは-2から-3引き下げられる. 氷上でのプレローテーションといったジャンプの拙劣な又はごまかした踏み切りは, GOEが-1から-3引き下げられるペナルティが課せられる.